アンティーク版画

ボタニカル・アート(植物画)

ソーントン博士 『フローラの神殿』シリーズより

『ア・グループ・オブ・オーリキュラス(桜草)』

Dr. Thornton's “The Temple of Flora”

“A Group of Auriculas”

1803年(初版/初刷り) 英国

額付き




※写真は、焦点があまく、多少の歪みと照明による明暗や色ムラが有り、実際の色彩と若干異なっています。


銅版画とはにわかに信じ難く

鳥肌が立つほど美しい・・・

版画史上

人類が到達した≪技術的な≫最高峰の銅版画と賞賛され

その再現が不可能とも言われている

ソーントン博士が命を賭けたボタニカル・アートの最高峰・・・

知的でとても飾り映えのする

非常に入手困難な美術館級の大型銅版画作品です!!!


編者 : ロバート・ジョン・ソーントン博士 [ Dr. Robert John Thornton ] ( 英国 : c. 1768 - 1837年 )

※ “c.” はラテン語の “circa” の略で、「およそ」 または 「頃」 という意味です。

原画作者 : ピーター・チャールズ・ヘンダーソン [ Peter Charles Henderson ] ( 英国 : fl. 1799 - 1829年 )

※ 当時の人気画家 P.C.ヘンダーソンが、このシリーズを企画したソーントン博士に請われて原画を制作しています。              

※ “fl.” はラテン語の “floruit” の略で、「在世期」 または 「活動期」 という意味です。 生没年が不明な人物の場合に使用します。

彫版師 : フレデリック・クリスチャン・ルイス [ Frederick Christian Lewis ] ( 英国 : 1779 - 1856年 ) &
    ジェイムス・ホップウッド・シニア [ James Hopwood Senior ] ( 英国 : c. 1752 - 1819年 )

1803年(初版/初刷り) 英国

※ キャプションに “May 1st 1803”(1803年5月1日)の日付(刻字)有り。

銅版画 : 様々な技法で彫版された銅版で多色刷りされ、更に、手彩色で仕上げられています。

額付き : 現状はシートのみですが、落札決定後に額装してお渡しします(新品の額を使用)。

シート・サイズ : 55.8cm± * 43.0cm±

プレート・マーク・サイズ : 55.6cm± * 41.2cm±

※ 銅版画を摺刷する際には、通常、銅版原版のサイズよりも大きい用紙に摺りますが、その際、
    摺刷プレス機の圧力で銅版原版の縁が用紙に残す痕跡(段差)を“プレート・マーク”と呼びます。


コンディション : 『フローラの神殿』シリーズの『ア・グループ・オブ・オーリキュラス(桜草)』は、 本作品を含め、ほとんど全て、当時からプレート・マーク辺りを(作品頒布用の仮綴じ表紙から本装丁で 糸止めされる際等に)若干トリミングされており(当時は、プレート・マークをさほど重視しておらず、 プレート・マークの内側をトリミングされた作品も多いため、あまり欠点として扱わない方が よろしいかと思います)、自然なしわ・よれ・汚れ・斑点等もごくわずか有りますが、 そのしわやよれも、厚紙で裏打ちされているため、ほとんど目立ちませんし、 多少の退色はあるものの、制作当時の色を偲ばせる色彩も充分に残っています。 ちなみに、同じ銅版で刷られた2版や3版は(銅版の耐久性は石版よりもかなり劣るため) 制作当時からこの微妙な色合いが元々出ていませんし、初版でも(経時変化によって) 色褪せているものが圧倒的に多い中、本作品は、200年以上前に制作された 版画作品にしては良好で、充分に満足のゆく状態を保っています。

ボタニカル・アート(植物画)史上最美の図譜集と評される『フローラの神殿』の一連の作品は、アクアティント /メゾティント/線刻彫版法/点刻彫版法等の技法を駆使した複数の銅版で精密に多色刷りされ、更に、 手彩色で仕上げるという、途方もない手間と費用をかけて制作されています。現代に伝わる銅版画技術では、 その再現が不可能とも言われており、技術的に人類が到達した最高峰の銅版画作品と賞賛されています。 また、その驚くほど大胆な構図と奥行きのある色彩は、20世紀の“花の画家”ジョージア・オキーフの官能的で 象徴的な表現に通じる(上回る?)ものがあり、200年以上前に制作された作品とは思えないほど、 新鮮な感動と衝撃を禁じ得ません。『フローラの神殿』の印象を「ふるえるほどの美しさ」と表現した・・・ ある有名な小説家の言葉も、異議なく賛同できます。

参考価格 : 本作品を含む作品セット(完全シリーズには、扉絵の他に、本作品の様な植物図譜が30点含まれています)が、 各版画の仮綴じ表紙を取り去られて同一の表紙に本装丁された状態で、 1999年3月にロンドンで開催されたオークションに出品された際には、 1,790万〜2,230万円のエスティメイト価格(落札手数料込み・ 当時の為替レートで計算)が設定されていました(東京の某公立美術館では、 初版の全シリーズを、以前、1,350万円で購入されたと 聞いていますので、最近かなり値上がりしているということになります)。 従いまして、(植物図譜点数のみで換算して)1点平均で約64万〜80万円となりますが、 この『ア・グループ・オブ・オーリキュラス(桜草)』は、同シリーズの中でも 人気・価格とも間違い無く最上級クラスですから、クラス別の価格を設定すれば、 充分に、その平均価格の数倍の価値があると思われます。 ちなみに、『フローラの神殿』シリーズの作品を世界で最も多く所蔵していた ロンドンの有名画廊が1996年に出した価格表でも(古い情報ですみません)、 『ア・グループ・オブ・オーリキュラス(桜草)』には、 同シリーズ中で最も低価格の作品の約9倍の価格が設定されていました。

エスティメイト価格とは、オークション会社のエキスパートが示唆する落札の見積価格で、再販価値(換金価格)の基準になるものです。

※ ソーントン博士の『フローラの神殿』シリーズには、(上述の様な)同じ銅版で刷られた同サイズの再版ものや、 宝くじ版とかロッテリー・エディションと呼ばれる小型作品(経済的に困窮したソーントン博士を救済するために主催された “ロイヤル・ボタニック・ロッテリー:勅許植物宝くじ”の賞品)があり、それらの作品は、通常、 (本作品の様な)初版の 1/3 〜 1/10 の価格査定しかされませんが、 本作品は、元々、国際的な有名オークションに出品されたもので(弊社で確認済み)、そのオークション会社の エキスパート(権威)が厳正に鑑定をしていますので、本作品が“初版/初刷り”である事に間違いはありません。 ご安心くださいませ。







※写真は、焦点があまく、多少の歪みと照明による明暗や色ムラが有り、実際の色彩と若干異なっています。


オークション “ザ・コノサーズ” / Lot2876
アンティーク版画 ボタニカル・アート(植物画)
ソーントン博士『フローラの神殿』シリーズより 『ア・グループ・オブ・オーリキュラス(アウリクラ;桜草)』
1803年(初版/初刷り) 英国

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