アンティーク陶磁器

マイセン窯

フィギュア(人形:置物)

『道化師』

“Harlekin”

1775年頃

ドイツ




※写真は、焦点があまく、多少の歪みと反射が有り、実際の色と若干異なっています。


マイセン窯隆盛の主人公のひとりである

伝説的彫刻家ケンドラー自身が最晩年に制作に携わった

ケンドラー最後のモデルのひとつ・・・

イタリア古典喜劇“コメディア・デラルテ”のキャラクターとして有名な

楽しく陽気な仮面の道化師“ハーレキン(ハーレクイン)”をモティーフにした

いかにもケンドラーらしい18世紀の超稀少なオリジナル作品・・・

入手するどころか目にする事も滅多に叶わない

真にミュージアム級の作品と断言できる

貴重極まりないオールド・マイセンのマスターピースです!!!


マイセン窯 : 白磁製手彩色フィギュア( 人形 : 置物 )

1775年頃 ドイツ

底部と台座側面に窯印(※)他有り

※ 双剣の柄の間や下に六芒星や八芒星のあるマークは、マルコリーニ [ Marcolini ] が
     マイセン窯の所長を勤めた1774年〜1814年の間に使われていた典型的な窯印です。


※ 本作品に描かれた窯印は一部不鮮明で(顔料が磁土に吸い込まれた等の理由で、 ごく薄くしか発色していません)、その上をなぞって浅く線彫りされていたりしますが、 この時代に制作されたマイセン窯の作品ではよくある事で、 本作品は、その作行きからも、1775年頃に制作されたものに間違いありません。

サイズ : 高さ 約 17.5cm 幅(台座) 約 5.4cm

参考文献 : “Preis-Verzeichnis der Konigl. Sachs Porzellan-Manufactur in MEISSEN” Blatt 8 に類似作品(D30-43)掲載

※ フィギュア作品に付きましては、制作を担当した型師や絵付師によって、作行き(手・足・首の向きや小道具等の形状および絵付け)が
  多少異なる場合がありますので、マイセンの各参考文献に掲載されている作品写真と(完全には)一致しないケースがよくございます。


コンディション : 細かく凹凸の多いマイセン・フィギュアにとって、多少のダメージが存在する事は、 ある意味で宿命とも言えるものであり、細部における微小な欠けやプロの手による修復がなされた損傷については、 世界中どこの市場でも容認しています。この作品にも、修復箇所や欠損や小さな削げ等が有りますが (全くダメージを受けていない18世紀のフィギュア作品はほとんど存在しません)、 18世紀に制作されたオールド・マイセンのフィギュア作品にしては、 充分に満足のゆく状態を保っています。 なお、本作品の台座等の一部に、焼成時にできた“ファイアリング・クラック”と 呼ばれるヒビ(割れ目)が有りますが、マイセン窯では、石炭を使用し始める1798年までは 温度管理の難しい薪(まき)を使って焼成しており、更に、素地の配合もまだ確立されていなかったため、 18世紀に制作されたフィギュア作品には、(一部の小型作品を除き)ほとんど全てと言っても 過言ではないほど、そういった(焼成時に出来た)窯キズが有り、 ここではあえて欠点とは申し上げません(マイセン窯でも、 当時は、そういった窯キズを必然的なものとして捉え、大きな欠点とは見なしていませんでした)。 実際、国際的な有名オークション会社のエキスパート達も、そういった窯キズを、 18世紀のマイセン窯で制作されたフィギュア作品の証拠(もしくは特徴)と捉えています。

※ 形状が複雑で細かい凹凸の有る磁土の彫塑を、原型通りに焼き上げるのは非常に難しく、 窯の中における焼成(磁土の収縮)を正確にコントロールする大変複雑で高度な技術が要求されます。 しかしながらマイセンでは、1700年代の初頭に中国や日本の渡来品を手本に磁器制作を開始してから、 わずか20年足らずで磁器彫塑の技術をほぼ確立しており、その進化のスピードは俄かには信じ難いほど驚異的です。 ちなみに、磁器制作においては先輩格の日本でも、江戸時代から、磁器彫塑を焼き上げる技術に挑戦してきましたが、 マイセン・フィギュアほどの(形が複雑で動きのある)作品を焼き上げる技術はついに独自では確立できず、 明治政府誕生後に留学生をマイセンに派遣し、その進んだ技術を取り入れようと試みています。

16世紀にイタリアで生まれた古典仮面喜劇コメディア・デラルテ(コンメディア・ デラルテ) [ Commedia dell'arte ] の伝統的な道化役として 最も有名で人気のあるアルレッキーノ [ arlecchino ] (イタリア語) は、 ドイツ語ではハーレキン [ harlekin ] 、 英語ではハーレクイン [ harlequin ] 、 フランス語ではアルルカン [ arlequin ] と呼ばれています。

18世紀初頭にヨーロッパで最初に硬質の白磁器の制作に成功したマイセンは、その後、18世紀全般を通じて、 ヨーロッパ磁器芸術の頂点に君臨する事になりますが、この時期に制作されたマイセンの作品は、 欧米のコレクターの間で非常に人気が高く、特に、ケンドラー(彫刻家)やアシエ(彫刻家)や ヘロルト(画家)が、その感性とテクニックを互いに切磋琢磨し競い合っていた絶頂期の、 しかも、彼等自身が制作に携わった作品に付いては、全く異なる別格の扱いを受けています。

※ ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(もしくはケントラー) [ Johann Joachim Kaendler or Kandler ] ( ドイツ : 1706 - 1775年 ) : アウグスト強帝(もしくは強王/ザクセン選帝侯/フリードリッヒ・アウグストT世)によって見い出され マイセン窯のモデル部門長に就任した彫刻家ケンドラーは、絵付け部門長であった画家ヘロルトや名工アシエ(アシエール)等とともに、 互いに切磋琢磨し競い合いながら、天才的な感性とテクニックで、マイセン窯の絶頂期を築き上げました。 そのケンドラーが制作したフィギュアの原型は、マイセン窯で大切に保管され、人気のあるモデルは、 その原型をもとに(場合によっては、型の細部に多少の手も加えられながら)その後も作り続けられました。

※ 専門家の鑑定を経ないで直接出品できるフリーマーケット的なネット・オークションでは 仕方ないのかもしれませんが、明らかなニセモノをはじめ、部位が欠落していたり キャンセル・マークをパテで埋めて偽装した様なマイセン・フィギュアの欠陥作品が、 その事実を隠して出品されているケースをよく見かけますので、何卒、お気を付けくださいませ。

※ 本作品は、元々、国際的な有名オークションに出品されたもので(弊社で確認済み)、そのオークション会社の
     西洋古陶磁専門のエキスパート(権威)が鑑定をしていますので、真贋や制作年代の判定に間違いはありません。

※ 将来、もし、修復をご希望の際は、日本国内の優秀な修復家の方を直接ご紹介いたします。









※写真は、焦点があまく、多少の歪みと反射が有り、実際の色と若干異なっています。


オークション “ザ・コノサーズ” / Lot3037
マイセン フィギュア(人形:置物) 『道化師』 1775年頃 ドイツ

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on request \547,000. ktos '08/1/14

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