ガラス
ミューラー兄弟
『すいかずら文花器』
20世紀初頭 フランス
20世紀初頭 フランス/ロレーヌ
サイン:側面に陽刻銘あり
サイズ:高さ 13.1cm± 直径 16.0cm±
コンディション:大変に良好です。
※写真は、焦点があまく多少の歪みがあり、実際の色と若干異なっています。
乳白色のガラス地に濃い紫のガラスを被せ、非常に細かいカメオ技法(酸化腐食彫り)で忍冬(すいかずら)
の花冠や茎や葉が彫り出されています。更にネック部には、ヴィトリフィカッシオン(粉末の色ガラスを素
地にまぶして炉で溶かし込み地紋を施す技法)の美しい地紋が施されており、数字上のサイズだけ見ると小
振りの作品と思われるかも知れませんが、現物は非常に存在感があり、数あるミューラー作品の中でも、間違
いなく"かなり"上のクラスの作品です。
ミューラー兄弟の工房は、ガレ工房で最も優秀なグラヴュール職人でもあったデジレとユセーヌの兄弟を中心
に、エンリ、ヴィクトール、ピエールなどの他の兄弟も加えて、1895年に設立され、大恐慌後の1936年まで存
続しました。同じロレーヌにあったガレやドームの工房は日本でも有名ですが、ミューラー工房の作品も、国
際的なオークションでは、デコラティヴ・アートの重要なレギュラー・アイテムのひとつとなっており、特に、
この作品のような初期の力作は、ガレ工房やドーム工房にけっして勝るとも劣らない評価を受けています。
ご出品者のコメント(原文通り):祖母のコレクションです。凡百の類似品と違い、すいかずらの柄ゆきが
英国中世を、色合いはギリシャの壷を思わせると、いたくお気に入りでした。首の部分がよく見るとマーブル状
だったり、かなり凝ったつくりです。おとなしい秋草の時代金屏風を背景に、リージェンシー様式の小テーブ
ルに紫金襴の袱紗など敷き、間接照明でライトアップして飾るととても映えます。
参考価格:これだけ出来の良い凝った作品には、どこのオークションでも(落札手数料と消費税込みで)充分に
40万円前後のエスティメイト価格(※)が設定されるものと思われます。
落札希望価格 | 最高入札価格 |
ご入札者 | 入札締切日 |
on request | \250,000. | tocco | '99/9/2(JP) |