※光によって固まる性質のニスと酸を使って、原画の写真から銅版に焼き付けるという、現代ではほとんど行 われなくなった幻の手法の作品です。写真を使うということで、大量に刷られる安価な印刷物を想像しがちで すが、銅版画ですから、刷られる枚数も少なく、非常に高価なヘリオグラヴュール作品も数多く存在します。 また、今回の作品の色調はモノトーンで、セピア （ 黒に近い濃いめのこげ茶 ） で刷り上げてあります。 ところで、掲載されている写真の色調が若干異なっている （ 青味がかっていたり茶色味がかっている ） 様 に見えますが、現物はすべて同じ色のセピア刷りです。

コンディション　：　わずかな紙ヤケやシミが余白部分に若干有りますが、イメージ （ 絵の部分 ） には全くと言って 良いほどかかっておらず、１００年以上経過した作品にしては、非常に満足のゆく良好な保存状態です。

今や世界的に大ブームの"ラファエロ前派" （ または"ラファエル前派" ： Pre-Raphaelite Brotherhood ） ですが、Ｄ．Ｇ．ロセッティ やＪ．Ｅ．ミレー等とともに、その"ラファエロ前派"を代表する作家バーン=ジョーンズ （ "ラファエロ前派"の作家に多大な影響を与えた バーン=ジョーンズですが、そのバーン=ジョーンズ本人を"ラファエロ前派"の作家とはしない美術評論家もいます ） の 追悼銅版画集 （ 全９１点 ： ２００部限定 ） 中の作品です。

天地創造の７日間 （ １日目：光と影の分割／２日目：秩序の確立／３日目：海と陸の分離／４日目：太陽と月と星の創造／ ５日目：動物の創造／６日目：アダムとイヴの創造／７日目：安息日・・・１日ごとに天使が増えてゆきます・・安息日は ６枚目下部に座って楽器を弾いている天使で表現しています ） をテーマにしたバーン=ジョーンズ一流の幻想的な発想と 画面構成が素晴らしい連作です。この６点を並べて部屋に飾れば・・・滅茶苦茶にカッコイイと思いませんか？・・・かく いう筆者も・・・ほっ・・欲しい！！特に左上と右下の天使ちゃん・・・お願い！わが家に来て！！！ （ 悪ノリしました ・・すみません ）

Six panels, with angels holding globes, on each of which is represented a different phase of the creation of the world. On the first is shown the division of light and darkness; on the second, the ordering of chaos; on the third, the dividing of the waters and the land; on the fourth, the creation of the sun, moon, and stars; on the fifth, the creation of animal life; and on the sixth, that of Adam and Eve, whilst the "Day of Rest" is symbolized by an angel seated playing a musical instrument.

Water colour (six panels), 40 in. x 13 1/2 in. each. Signed and dated," E.B.J.,1876." From the W. Graham Collection. Exhibited at the Grosvenor Gallery, 1877, New Gallery, 1892-3 and 1898-9. In the possession of ALEXANDER HENDERSON, Esq., M.P.

国内参考価格　：　このシリーズの銅版画が東京都内のデパートで最近開催された即売会で売りに出された際には、 １点１５万円から４５万円の価格が設定されていました。

※写真は、焦点があまく多少の歪みがあり、実際の色と若干異なっています。
※写真の色調が若干異なっている様に見えますが、現物はすべて同じ色のセピア刷りです。