※写真は、焦点があまく多少の歪みがあり、実際の色と若干異なっています。

※木口木版画とは、硬い木材の更に硬い木口（板目でなく年輪の面）を利用した版画です。密で硬い木口を細 かく彫り込むため、木版画とは思えない細密な線を刷る事ができます。しかも、銅版画と異なり、かなりの枚 数を刷っても版が傷みませんので、（ 高級な書物の図版を刷る技法として ）一度は、銅版画や石版画に駆逐さ れた木版画が、木口木版画として、１９世紀の英国を中心に大復活しました。

コンディション　：　ヴィクトリア時代に刊行された古書ですから当然ですが、表紙に当たりや擦れや多少の汚れが有り、 綴じも若干緩くなっていていますが、肝心の図版（木版画）には（ 一部に紙ヤケや汚れ等が有りますが ）退色やシミや 斑点等が全くと言ってよいほど無く、１１０年以上経過した古書にしては大変に良好です。

ヴィクトリア時代に活躍し英国を代表する女流絵本画家として世界的に有名なケイト・グリーナウェイによる、 とても愛らしい４９種５０点( 表紙を含む )の多色刷り木口木版画が挿入されています。

この『マリゴールドの花園』は、グリーナウェイの大型挿画本の傑作として特に人気が高く、１８８５年の初版以来何度 も再版されましたが、「初版」でしかも「初刷り」のエディションは、数も少なく非常に入手困難で、いわゆる稀覯（ きこう ）本 となっています。 また、一昨年、都内のデパートで 『ケイト・グリーナウェイの世界展』 が開催され（ 今回の出品作品と同じ初版／初刷り本 も展示されていました ）、日本でも、ノスタルジックで優しく親しみやすい絵を真摯に描き続けたケイト・グリーナウェイの熱心な ファンが急増してます。

なお、ケイト・グリーナウェイのイラストレーションは、ベルヌ条約 （ 著作権に関する国際条約 ） に基づき版 権が消滅しており、あらゆる商品のデザイン・ソースとして利用できますので、そのベースとなる原本の人気 がますます高まっています。

国内参考価格　：　デパートの 『ケイト・グリーナウェイの世界展』 の会場に販売目的で出店していた外国の業者 が、この作品より本来かなり安いはずのグリーナウェイの挿画本に、２５万円前後の価格を設定していたそう です。

※写真は、焦点があまく多少の歪みがあり、実際の色と若干異なっています。