マルク・シャガール
『アラビアン・ナイトから四つの物語:プレート1』
”Four tales from the Arabian Nights:Plate 1”
1946年(1948年刊行)
額付き
エディション数が最も少なく・・・
市場に売り出されるのも稀で・・・
現物を目にする事すら滅多に叶わない・・・
あの憧れの 『アラビアン・ナイト ...』 シリーズの・・・
珍しい試し刷りの作品です!!!
1946年(1948年刊行)
オリジナル石版画(カラー・リトグラフ) : シャガールが自ら製版した多色刷り石版画です。
額付き
サイン無し
※この『アラビアン・ナイトから四つの物語』シリーズ中の版画は、本刷りが 90部〜111部 制作され、
他に若干のサイド・エディションが有りますが、この作品は、本刷り前の プログレッシヴ・プルーフ [ progressive proof ] と
呼ばれるテスト版(試し刷り または 段階刷り)で、本刷りに比べ色数が若干少なくなっています。
イメージ・サイズ : 37.4cm± * 28.4cm±
額サイズ : 66.1cm * 58.8cm
コンディション : 額に何箇所か当たりが有り、シートにもごくわずかなヨレが有りますが、鑑賞上はほとんど気にならず、
全体的には充分に満足のゆく良好な保存状態です。
ナチスによる迫害を避けるため、1941年・・・パリを逃れてアメリカに移住したシャガールは、その直後に愛妻ベラを
失うという不幸にも見舞われ、一時は筆を取ることさえ出来ない状態に陥りました。そんな最中、失意の彼を救ったのは、
イギリス人女性ヴァージニアとの出会いでした。やがてふたりは愛し合うようになり、シャガールは再び創作への意欲が
蘇りました。そうした時期に制作された『アラビアン・ナイト..』シリーズは、民族的な悲劇や個人的な不幸から立ち直った
シャガールの・・・アーティストとしての・・・新たな出発を記念する作品と言えます。
そして、そのシリーズ作品の中でも、とりわけこの作品には、シャガールの深く傷ついた心を癒してくれたヴァージニアに対する
篤い想いを強く感じる事ができます。
このシャガールの有名なシリーズは、『アラビアン・ナイト』の膨大な物語群の中から4つの物語(※)を選び出し、
本文とともに12葉のリトグラフを添えて、ニューヨークで1948年に刊行されたものです。
ユダヤ人である彼が、イスラム文化の遺産であるこの物語をテーマに取り上げた事は、
アーティストとして、民族主義的な枠組みを超えて融和してゆこうという意思を表現したものとも思われますが、
新世紀を迎えながらも、未だに民族間の争いが絶えない現在、なにかとても示唆的で興味深い事と言えます。
※『カマール・アッ・ザマーンと宝石細工師の妻』 『海王の娘ジュルナールとその子にしてペルシア王
バドル・バーシム』 『陸のアブドゥッラーと海のアブドゥッラーの物語』 『黒檀の馬奇談』
『アラビアン・ナイト..』は、数あるシャガールのシリーズ作品(挿画本)の中でも、『ダフニスとクロエ』 や 『サーカス』 と
ともに・・・三大傑作シリーズとして・・・最も高い評価を受けています。その上、本シリーズは、上述の通り、
最もエディション数が少なく、1シリーズに含まれる作品数も(特別版の追加作品1点を除いて)わずか12作品しかないため、
完全シリーズとしてだけでなく、シリーズ中の各作品が単独でオークションに出品される事も稀で、入手機会が極めて少なく・・・
現物を真近に観る事さえ難しい・・・シャガール版画の”幻の作品”のひとつとなっています。
参考価格 : 国際的な最大手のオークション会社がニューヨークで1999年11月に開催した版画セールに、この作品と
全く同じ 『アラビアン・ナイトから四つの物語:プレート1』 のテスト版が出品された際には、
5,750ドル〜8,050ドル のエスティメイト価格(買い手手数料込み)が設定されていました。
ちなみに、弊社オークションにも出品されている直筆サイン入りの本刷り(の各作品)は、その何倍もします。
落札希望価格 | 最高入札価格 |
ご入札者 | 入札締切日 |
on request | \470,000. | Mogu | '03/1/7 |