アンティーク陶磁器

マイセン窯

フィギュア(人形:置物)

『恋人達』

”Liebesgruppe”

1770年頃 ドイツ





マイセンの伝説的彫刻家ケンドラーが制作に関わった・・・

さすがにとてもイキイキとした表情の・・・

マイセン・コレクター垂涎・・・

疑いようのない18世紀フィギュアの名品中の名品です!!!


マイセン窯 : 白磁製手彩色フィギュア ( 人形 : 置物 )

1770年頃 ドイツ

底部に窯印(※)有り

※1756年〜1780年頃に好んで使われた双剣の鐔(つば)の間に点のある窯印です。

サイズ : 高さ 20.4cm± 台座の幅 17.8cm±

参考文献 : ”Preis-Verzeichnis der Konigl. Sachs Porzellan-Manufactur in MEISSEN” Blatt 16, B83 に類似作品掲載


コンディション : 細かく凹凸の多いマイセン・フィギュアにとって、多少のダメージが存在する事は、 ある意味で宿命とも言えるものであり、細部における微小な欠けやプロの手による修復がなされた損傷については、 世界中どこの市場でも容認しています。特に、本作品のように18世紀に制作されたフィギュア作品に関しては、 完品と言えるものはまず存在しません。ちなみに本作品も、ごく厳密に診れば、手足等の一部に(再塗装を含む) 修復跡やわずかな引っかき傷等が有りますが、鑑賞上は(少なくとも筆者は)全く気になりませんし、 他に大きな瑕疵(かし)は無く、(18世紀に制作された)オールド・マイセンのフィギュア作品にしては、 非常に満足のゆく良好な状態を保っています。なお、本作品の台座の一部に、制作時(焼成時)にできた ヒビ状の割れ目が有りますが、18世紀に制作されたフィギュア作品には、ほとんどと言っても過言ではないほど、 そういった(焼き入れの際に出来た)窯キズが有り、ここではあえて欠点とは申し上げませんし(マイセン窯でも、 当時は、そういった窯キズを必然的なものとして捉え、大きな欠点とは見なしていませんでした)、逆に、 18世紀のマイセン窯で制作されたフィギュア作品の証拠(もしくは特徴)と捉えるべきだと思います。

18世紀初頭にヨーロッパで最初に硬質の白磁器の制作に成功したマイセンは、その後、18世紀全般を通じて、 ヨーロッパ磁器芸術の頂点に君臨する事になりますが、この時期に制作されたマイセンの作品は、 欧米のコレクターの間で非常に人気が高く、特に天才彫刻家ケンドラー(※)自身が制作にたずさわったと思われる作品 (フィギュアのまるで息づいているような顔の表情等に、その際立った技巧が見て取れます)に付いては、 全く異なる別格の扱いを受けています。

※ ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(もしくはケントラー) [ Johann Joachim Kaendler or Kandler ] ( ドイツ : 1706 - 1775年 )

アウグスト強帝によって見出されマイセン窯のモデル部門長に就任した彫刻家ケンドラーは、絵付け部門長であった 画家ヘロルトや名工アシエール等とともに、互いに切磋琢磨し競い合いながら、その天才的な感性とテクニックで、 マイセン窯の絶頂期を築き上げました。

形状が複雑で細かい凹凸の有る磁土の彫塑を、原型通りに焼き上げるのは非常に難しく、 窯の中における焼成(磁土の収縮)を正確にコントロールする大変複雑で高度な技術が要求されます。 しかしながらマイセンでは、1700年代の初頭に中国や日本の渡来品を手本に磁器制作を開始してから、 わずか20年足らずで磁器彫塑の技術をほぼ確立しており、その進化のスピードは俄かには信じ難いほど驚異的です。 ちなみに、磁器制作においては先輩格の日本でも、江戸時代から、磁器彫塑を焼き上げる技術に挑戦してきましたが、 マイセン・フィギュアほどの(形が複雑で動きのある)作品を焼き上げる技術はついに独自では確立できず、 明治政府誕生後に留学生をマイセンに派遣し、その進んだ技術を取り入れようと試みています。

この作品は、弊社オークションで以前落札された作品が再出品されたものですが、ご出品者様には、 こんな貴重な作品を再びご出品いただきまして、この場を借り、衷心より御礼申し上げます。



※写真は、焦点があまく、反射と多少の歪みや色むらが有り、実際の色と若干異なっています。

    
落札希望価格
現在の
最高入札価格
ご入札者入札締切日
on request \736,000. H.IS. '02/3/1
※落札されました