マイセン窯
『イルカに乗った天使のコンポート』
“Drei Amoretten, auf Delphinen reitend, obenauf eine gemuschelte Schale”
19世紀後半
ドイツ
芸術性の高い寓話的なモティーフとその表現力・・・
さすがにマイセンと思わせる
非常に凝った作りの華やかで贅沢なグループ・フィギュア付きコンポートです!!!
19世紀後半 ドイツ
底部に窯印(※)有り
※ 両下端にコブが有って、一般に ”ボタン剣” と呼ばれている、19世紀マイセン窯の典型的な窯印です。
サイズ : 高さ 19.0cm± 最大幅 24.0cm±
参考文献 : ”Preis-Verzeichnis der Konigl. Sachs Porzellan-Manufactur in MEISSEN” Blatt 31に類似作品(F117)掲載
コンディション : 細かく凹凸の多いマイセン・フィギュアにとって、多少のダメージが存在する事は、
ある意味で宿命とも言えるものであり、細部における微小な欠けやプロの手による修復がなされた損傷については、
世界中のどこの市場でも容認しています。この作品にも、上の皿に修復箇所が有り(眉状に割れた縁が、
角度によっては継ぎ目の盛りがうっすらと見えるものの、中央の絵付け部分にはかかっていませんし、
掲載写真でもほとんど判らない通り、非常に上手く修復してあります)、
絵付けや金彩の擦れも有りますが、鑑賞上は(少なくとも筆者は)ほとんど気になりませんし、
その他に大きな瑕疵(かし)は無く(ごく詳細にチェックしましたが、天使の手足・指・羽根・天使が持っている小道具類等はほぼ完璧で、
もし修復が有るとすれば、非常に上手く修復されている事になります)、19世紀に制作されたオールド・マイセンの、
これだけ凝った作りのグループ・フィギュア付きコンポート作品にしては、充分に満足のゆく状態を保っています。
形状が複雑で細かい凹凸の有る磁土の彫塑を、原型通りに焼き上げるのは非常に難しく、
窯の中における焼成(磁土の収縮)を正確にコントロールする大変複雑で高度な技術が要求されます。
しかしながらマイセンでは、1700年代の初頭に中国や日本の渡来品を手本に磁器制作を開始してから、
わずか20年足らずで磁器彫塑の技術をほぼ確立しており、その進化のスピードは俄かには信じ難いほど驚異的です。
ちなみに、磁器制作においては先輩格の日本でも、江戸時代から、磁器彫塑を焼き上げる技術に挑戦してきましたが、
マイセン・フィギュアほどの(形が複雑で動きのある)作品を焼き上げる技術はついに独自では確立できず、
明治政府誕生後に留学生をマイセンに派遣し、その進んだ技術を取り入れようと試みています。
落札希望価格 | 最高入札価格 |
ご入札者 | 入札締切日 |
on request | \500,000. | Summy | '04/7/7 |