陶板画

ベルリン窯

KPM陶板画

ワーグナー

『ナディア』

“Nadia”

19世紀

ドイツ

額付き




※写真は、焦点があまく、多少の歪みと写り込みが有り、実際の色と若干異なっています。


厚みがあるのに透き通るような色彩の

目を洗われるほど美しい女性像・・・

数あるKPM陶板画の中でも

最も高い評価を受ける絵付け師ワーグナーの

究極のテクニックで描かれた

小振りながら

それは見事な逸品です!!!


ベルリン窯 / KPM陶板画

※ “KPM” は Konigliche Porcellain Manufactur (独語) の頭文字で、「王立磁器製作所」 という意味です。

19世紀(19世紀後半と推定) ドイツ

額付き(※)     

※ 本作品の額は、真鍮製の(オリジナルの)時代額ですが、写真立てのようにテーブルの上に立てて楽しむこともできます。
 また、この真鍮製の額に入れたまま(もしくは、はずして)、大きめの額を付けると、見栄えがとても良くなると思います。

裏面に “K.P.M” の窯印他有り

陶板サイズ : 直径 11.3cm±

額サイズ : 直径 17.0cm±

コンディション : 100年以上経過している作品ですから、当然ながら、(ごく細かく診れば)非常に 軽度のスクラッチ(引っかいた跡)や多少の塗りムラ(焼きムラ)等は有りますが、鑑賞上は 全くと言って良いほど影響が無く、全体的には、ほぼ完品と言える程の、非常に良好な保存状態です (額は、裏面の止め金具に直しが有り、時代額ゆえの多少の汚れや擦れ等も有りますが、好ましい古さを感じられる 充分に満足のゆく状態と言えます)。

ベルリン窯(K.P.M.)やウィーン窯に請われ数多くの名品を描いた絵師ワーグナーが、他者の追従を許さなかった その素晴らしく精緻なテクニックで、ほんのりと赤みがさした暖かな顔色・・・優しさに充ちたおだやかな目の表情・・・ 髪の毛の柔らかさ等々・・・見事なまでに描ききっています。

19世紀のベルリン窯(KPM)は、他の絵付け工房に対して無地の陶板を供給していた事が知られていますが、 当然、工房によって技術の優劣もかなり有り、したがって、それらの作品の間では、質的に大きな差が生じる事になりました(※)。 しかしながら、ブランドに弱い(?)日本市場において、KPMの陶板画というだけで、極めて稚拙な絵付けが施された作品が、 国際的には全く通用しない信じられない値段で売買されているケースをよく見かけますが、この作品は、 そういった二級や三級の作品とは一線を画する、とてもレベルの高い、しかも名手ワーグナーが絵付けした、小振りながら、 とても価値のあるKPM陶板画の名品です。

※ 陶板上に絵画を描くには、ひとつひとつの色に対して、窯に入れて焼き上がった後の(顔料の)色彩的な変化を 考慮しながら、何回にも分けて絵付け工程と焼き入れ工程を繰り返すという、気の遠くなるような煩雑で正確な 作業が必要となりますので、技術のちょっとした優劣によって、出来上がった作品に大きな差が生じてしまうという次第です。


<ワーグナーのサイン>

<“K.P.M”の窯印他>

※写真は、焦点があまく、多少の歪みと反射が有り、実際の色と若干異なっています。



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