アンティーク陶磁器

マイセン窯

フィギュア(人形:置物)

『割れた卵』

“Die zerbrochenen Eier”

18世紀後半(1777年頃と推定)

ドイツ




※写真は、焦点があまく、多少の歪みと反射が有り、実際の色と若干異なっています。


18世紀以来連綿と制作され続けてきた

華やかでロマンティックな

ストーリー性のある歴史的名モデル・・・

しかも

マイセンの伝説的彫刻家アシエ自身が制作に携わったそのオリジナル作品・・・

入手するどころか目にする事も滅多に叶わない

マイセン・コレクター垂涎の名品中の名品・・・

正にミュージアム・ピースそのものと言える

貴重極まりない18世紀のフィギュア作品です!!!


マイセン窯 : 白磁製手彩色フィギュア( 人形 : 置物 )

18世紀後半(1777年頃と推定) ドイツ

底部に窯印(※)有り

※ 双剣の柄の間に六芒星のあるマークは、1774年〜1814年にマイセン窯
    の所長を勤めたマルコリーニ [ Marcolini ] の時代に使われていた窯印です。

サイズ : 高さ 約 23.5cm 幅(台座) 16.5cm±

参考文献 : “Preis-Verzeichnis der Konigl. Sachs Porzellan-Manufactur in MEISSEN” Blatt 5 に類似作品(F65)掲載

※ 本作品の天使は、英語で チェラブ [ cherub ] (独語も同スペル) と呼ばれる翼のある天使です。


コンディション : 細かく凹凸の多いマイセン・フィギュアにとって、多少のダメージが存在する事は、 ある意味で宿命とも言えるものであり、細部における微小な欠けやプロの手による修復がなされた損傷については、 世界中どこの市場でも容認しています。この作品にも、正面から見て左側の女性の頭のリボン/正面から見て 右側の天使の左足の踵(かかと)/花・蕾や葉等に欠けや修復箇所が有りますが(こういった部分に 全くダメージを受けていない18世紀のフィギュア作品を見た事が有りませんし、本作品に関しては、 非常に丁寧に修復されており、かえって好感を覚えます)、掲載写真でもお判りの通り、 鑑賞上はほとんど気になりませんし、その他に大きな瑕疵(かし)は無く(もし他に修復が有るとすれば、 非常に上手く修復されている事になります)、18世紀に制作されたオールド・マイセンの、 これだけ複雑な細工が施された大型グループ・フィギュア作品にしては、充分に満足のゆく状態を保っています。 なお、本作品の台座の一部に、制作時(焼成時)にできたヒビ状の割れ目が有りますが、 18世紀に制作されたフィギュア作品には、ほとんどと言っても過言ではないほど、 そういった(焼き入れの際に出来た)窯キズが有り、ここではあえて欠点とは申し上げませんし(マイセン窯でも、 当時は、そういった窯キズを必然的なものとして捉え、大きな欠点とは見なしていませんでした)、 逆に、18世紀のマイセン窯で制作されたフィギュア作品の証拠(もしくは特徴)と捉えるべきだと思います。

18世紀初頭にヨーロッパで最初に硬質の白磁器の制作に成功したマイセンは、その後、18世紀全般を通じて、 ヨーロッパ磁器芸術の頂点に君臨する事になりますが、この時期に制作されたマイセンの作品は、 欧米のコレクターの間で非常に人気が高く、特に、アシエ(彫刻家)やケンドラー(彫刻家)や ヘロルト(画家)が、その感性とテクニックを互いに切磋琢磨し競い合っていた絶頂期の、 しかも、彼等自身が制作に携わった作品に付いては、全く異なる別格の扱いを受けています。

※ ミシェル・ヴィクトール・アシエ [ Michel Victor Acier ] ( フランス : 1736 - 1799年 ) は、
 1764年にマイセン窯の主任型師を拝命し、フランスからマイセンに移り住みました。

※ 形状が複雑で細かい凹凸の有る磁土の彫塑を、原型通りに焼き上げるのは非常に難しく、 窯の中における焼成(磁土の収縮)を正確にコントロールする大変複雑で高度な技術が要求されます。 しかしながらマイセンでは、1700年代の初頭に中国や日本の渡来品を手本に磁器制作を開始してから、 わずか20年足らずで磁器彫塑の技術をほぼ確立しており、その進化のスピードは俄かには信じ難いほど驚異的です。 ちなみに、磁器制作においては先輩格の日本でも、江戸時代から、磁器彫塑を焼き上げる技術に挑戦してきましたが、 マイセン・フィギュアほどの(形が複雑で動きのある)作品を焼き上げる技術はついに独自では確立できず、 明治政府誕生後に留学生をマイセンに派遣し、その進んだ技術を取り入れようと試みています。


・・・以下、ご出品者様のコメントを掲載させていただきます(弊社で要約/順不同)・・・

●この作品は、「ミュージアム ピース級」ではなく、「ミュージアム ピース」そのものと いった作品で、日本のどのマイセン系美術館でもアシエの『割れた卵』は見ることはできません。 ヨーロッパの美術館でも、現物が見られる所は稀でしょう(私の知っている限りありません)。

●この18世紀の『割れた卵』は、造形的に19世紀のものとは細かいところで異なっており、 絵の具の色彩も(19世紀のとは違い)より落ち着いた色彩になっています。

●底面から覗くとファイアリング・クラック(焼成時にできたヒビ状の割れ目)がありますが・・・ これがいいのです。マイセンでは1797年まで薪を使って焼いていました(1798年からは 石炭です)。薪では温度が一定にならず、焼きむらやひび割れを起こしており、 素地の成分配合もまだ完成されていませんでした。 従って、台座のような大きな塊の部分はひび割れを起こすのです。 ファイアリング・クラックがあるからダメなのではなく、ファイアリング・クラックが あるからイイのです。


ご出品者様におかれましては、こんな貴重な作品を快くご提供いただきまして、衷心より厚く御礼申し上げます。



※写真は、焦点があまく、多少の歪みと反射が有り、実際の色と若干異なっています。


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on request \1,001,000. Kazu '04/9/2
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