マイセン窯
フィギュア(人形:置物)
『月の女神セレネとエンデュミオン』
18世紀(1760年頃と推定)
ドイツ
愛情に満ちた眼差しで見つめる月の女神“セレネ”・・・
ギリシャ神話のロマンティックな恋物語をモティーフにした
非常に有名なグループ・フィギュア作品・・・
しかも
18世紀のオリジナル作品・・・
マイセン・コレクター垂涎の貴重極まりない傑作です!!!
18世紀(1760年頃と推定) ドイツ
底部に窯印(※)有り
※ 1731年〜1765年頃に使われたマイセン窯の典型的な双剣の窯印のひとつです。
サイズ : 高さ 約 12.5cm 幅(台座) 約 13.3cm
コンディション : 細かく凹凸の多いマイセン・フィギュアにとって、多少のダメージが存在する事は、
ある意味で宿命とも言えるものであり、細部における微小な欠けやプロの手による修復がなされた損傷については、
世界中どこの市場でも容認しています。この作品にも、若者の右足/女神の右手と左肩の布/花や葉/台座等に
修復箇所や欠けが有りますが(こういった部分に全くダメージを受けていない18世紀のフィギュア作品を
見た事がありません)、その他に大きな瑕疵(かし)は無く(もしその他に修復が有るとすれば、
非常に上手く修復されている事になります)、18世紀に制作されたオールド・マイセンのグループ・フィギュア作品
にしては、充分に満足のゆく状態を保っています。なお、本作品の台座の一部に、制作時(焼成時)にできた
ヒビ状の割れ目が有りますが、18世紀に制作されたフィギュア作品には、ほとんどと言っても過言ではないほど、
そういった(焼き入れの際に出来た)窯キズが有り、ここではあえて欠点とは申し上げませんし(マイセン窯でも、
当時は、そういった窯キズを必然的なものとして捉え、大きな欠点とは見なしていませんでした)、
逆に、18世紀のマイセン窯で制作されたフィギュア作品の証拠(もしくは特徴)と捉えるべきだと思います。
18世紀初頭にヨーロッパで最初に硬質の白磁器の制作に成功したマイセンは、その後、18世紀全般を通じて、
ヨーロッパ磁器芸術の頂点に君臨する事になりますが、この時期に制作されたマイセンの作品は、
欧米のコレクターの間で非常に人気が高く、特に、ケンドラー(彫刻家)やアシエ(彫刻家)や
ヘロルト(画家)が、その感性とテクニックを互いに切磋琢磨し競い合っていた絶頂期の、
しかも、彼等自身が制作に携わった作品に付いては、全く異なる別格の扱いを受けています
(本作品は、その作行きから、ケンドラーが制作に携わったと思われます)。
※ 形状が複雑で細かい凹凸の有る磁土の彫塑を、原型通りに焼き上げるのは非常に難しく、
窯の中における焼成(磁土の収縮)を正確にコントロールする大変複雑で高度な技術が要求されます。
しかしながらマイセンでは、1700年代の初頭に中国や日本の渡来品を手本に磁器制作を開始してから、
わずか20年足らずで磁器彫塑の技術をほぼ確立しており、その進化のスピードは俄かには信じ難いほど驚異的です。
ちなみに、磁器制作においては先輩格の日本でも、江戸時代から、磁器彫塑を焼き上げる技術に挑戦してきましたが、
マイセン・フィギュアほどの(形が複雑で動きのある)作品を焼き上げる技術はついに独自では確立できず、
明治政府誕生後に留学生をマイセンに派遣し、その進んだ技術を取り入れようと試みています。
参考価格 : 本作品と同モデルの作品が、国際的な競売会社によって2003年4月にアムステルダムで開催された
オークションに出品された際には、約75万〜91万円のエスティメイト価格(落札手数料込み・現在の為替レートで計算)が
設定されていました。
ご出品者様におかれましては、こんな貴重な作品を快くご提供いただきまして、衷心より厚く御礼申し上げます。
※ 専門家の鑑定を経ないで直接出品できるフリーマーケット的な
ネット・オークションでは仕方ないのかもしれませんが、明らかなニセモノをはじめ、
部位が欠落していたりキャンセル・マークをパテで埋めて偽装した様なマイセン・フィギュアの欠陥作品が、
その事実を隠して出品されているケースをよく見かけますので、何卒、お気を付けくださいませ。
※ 将来、もし、修復が必要になりました場合は、日本国内の優秀な修復家の方を直接ご紹介いたします。
落札希望価格 | 最高入札価格 |
ご入札者 | 入札締切日 |
on request | \513,000. | Louise | '05/1/17 |