マイセン窯
フィギュア(人形:置物)
『ジュノーと孔雀』
“Juno und der Pfau”
19世紀後半
ドイツ
神々の女王にして
女性の守護神でもある
結婚と出産と家庭を司る女神“ジュノー”・・・
その永遠の美女“ジュノー”を
鏡と花と首飾りを手に祝福する“三天使”・・・
さらに
美しい羽根を広げてポーズをとる
“ジュノー”お気に入りの使い鳥“孔雀”・・・
凝った道具立てで繊細な作行きの
修復もほぼ完璧になされている五体グループの名モデル・・・
末広がりの安定した形状で堂々とした存在感がある
オールド・マイセンのとても魅力的な大型作品です!!!
19世紀後半 ドイツ
底部に窯印(※)有り
※ 両下端にコブが有って、一般に “ボタン剣” と呼ばれている、19世紀マイセン窯の典型的な窯印です。
サイズ : 高さ 約 22.0cm 幅(台座) 約 24.0cm
参考文献 : “Preis-Verzeichnis der Konigl. Sachs Porzellan-Manufactur in MEISSEN” Blatt 58 に類似作品(O 199)掲載
コンディション : 細かく凹凸の多いマイセン・フィギュアにとって、多少のダメージが存在する事は、
ある意味で宿命とも言えるものであり、細部における微小な欠けやプロの手による修復がなされた損傷については、
世界中どこの市場でも容認しています。この作品にも、天使の翼・指・花・葉等に修復箇所が有りますが
(こういった部分に全くダメージを受けていない19世紀のフィギュア作品を見た事が有りません)、
本作品に関しては、それらの箇所がほぼ完璧に修復されており、その他に大きな瑕疵(かし)は無く(もし他に
修復が有るとすれば、非常に上手く修復されている事になります)、19世紀に制作されたオールド・マイセンの
大型グループ・フィギュア作品にしては、充分に満足のゆく状態を保っています。
本作品は、女神“ジュノー”(※1)と“ジュノー”お気に入りの使いである“孔雀”を
メインのモティーフにして、19世紀末から20世紀初めにかけてマイセン窯のモデラー(型師)として
活躍したJ.Th.P.ヘルミッヒ(※2)が1892年に初めて制作した、どこかしら(当時の潮流であった)
アール・ヌーヴォーの香り漂う、とても優雅なフォルムの名モデルです。
※2 J.Th.P.ヘルミッヒ [ Jugendstil Theodor or Jugendstil-Tischuhr Paul Helmig ] ( ドイツ : 1859 - 1939年 )
※ 形状が複雑で細かい凹凸の有る磁土の彫塑を、原型通りに焼き上げるのは非常に難しく、
窯の中における焼成(磁土の収縮)を正確にコントロールする大変複雑で高度な技術が要求されます。
しかしながらマイセンでは、1700年代の初頭に中国や日本の渡来品を手本に磁器制作を開始してから、
わずか20年足らずで磁器彫塑の技術をほぼ確立しており、その進化のスピードは俄かには信じ難いほど驚異的です。
ちなみに、磁器制作においては先輩格の日本でも、江戸時代から、磁器彫塑を焼き上げる技術に挑戦してきましたが、
マイセン・フィギュアほどの(形が複雑で動きのある)作品を焼き上げる技術はついに独自では確立できず、
明治政府誕生後に留学生をマイセンに派遣し、その進んだ技術を取り入れようと試みています。
※ 専門家の鑑定を経ないで直接出品できるフリーマーケット的なネット・オークションでは
仕方ないのかもしれませんが、明らかなニセモノをはじめ、部位が欠落していたり
キャンセル・マークをパテで埋めて偽装した様なマイセン・フィギュアの欠陥作品が、
その事実を隠して出品されているケースをよく見かけますので、何卒、お気を付けくださいませ。
※ 将来、もし、修復が必要になりました場合は、日本国内の優秀な修復家の方を直接ご紹介いたします。
※写真は、焦点があまく、多少の歪みと反射が有り、実際の色と若干異なっています。
落札希望価格 | 最高入札価格 |
ご入札者 | 入札締切日 |
on request | \725,000. | makoto | '05/7/27 |