マイセン窯
フィギュア(人形:置物)
『お仕置きをされる天使』
“Amor in Noten”
20世紀前半
ドイツ
弓矢を折られて
翼を切られそうになっている
今にも泣き出しそうな天使・・・
眺めていると
慈悲心を呼び起こされて何だか優しい気持ちになれる・・・
瞬間的な表情を見事にとらえたその表現力や
場面を物語る凝った道具立て等の
細部にわたる緻密で丁寧な仕事がいかにもマイセンらしい・・・
かなりの大型で
座った状態でも高さ30cmを超え
非常に飾り映えのする
とても魅力的な傑作グループ・フィギュア作品です!!!
20世紀前半(1920−30年頃) ドイツ
底部に窯印有り
サイズ : 高さ 約 32.0cm 幅(台座) 約 34.5cm
参考文献 : “Preis-Verzeichnis der Konigl. Sachs Porzellan-Manufactur in MEISSEN” Blatt 23 に類似作品(J82)掲載
悪戯をして女神にお仕置きされる天使は、マイセン・フィギュアに限らず、様々な美術品のモティーフとして
好んで用いられてきましたが、大抵は、ディスアームド(武装解除?)と呼ばれる、弓矢を取り上げられて
「うぇーん」と泣いている天使が描かれています。しかし、この作品の天使は、よほど悪戯が過ぎたのか、
翼まで切られようとしています。
※ 形状が複雑で細かい凹凸の有る磁土の彫塑を、原型通りに焼き上げるのは非常に難しく、
窯の中における焼成(磁土の収縮)を正確にコントロールする大変複雑で高度な技術が要求されます。
しかしながらマイセンでは、1700年代の初頭に中国や日本の渡来品を手本に磁器制作を開始してから、
わずか20年足らずで磁器彫塑の技術をほぼ確立しており、その進化のスピードは俄かには信じ難いほど驚異的です。
ちなみに、磁器制作においては先輩格の日本でも、江戸時代から、磁器彫塑を焼き上げる技術に挑戦してきましたが、
マイセン・フィギュアほどの(形が複雑で動きのある)作品を焼き上げる技術はついに独自では確立できず、
明治政府誕生後に留学生をマイセンに派遣し、その進んだ技術を取り入れようと試みています。
※ 専門家の鑑定を経ないで直接出品できるフリーマーケット的なネット・オークションでは
仕方ないのかもしれませんが、明らかなニセモノをはじめ、部位が欠落していたり
キャンセル・マークをパテで埋めて偽装した様なマイセン・フィギュアの欠陥作品が、
その事実を隠して出品されているケースをよく見かけますので、何卒、お気を付けくださいませ。
※ 将来、もし、修復が必要になりました場合は、日本国内の優秀な修復家の方を直接ご紹介いたします。
※写真は、焦点があまく、多少の歪みと反射が有り、実際の色と若干異なっています。
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on request | private | private | '05/9/28 |