アルマリック・ワルター
『波乗り魚文皿』
20世紀前半
フランス
勢いのある瞬間の動きを巧みに表現した
ジャポニズムの雰囲気も漂う傑作・・・
手に取ると
見かけ上の印象を裏切り
驚くほどズッシリと重い・・・
ガラス芸術の頂点を極めたアーティストのひとりに数えられる
名手アルマリック・ワルターが
幻の技法“パート・ド・ヴェール”を駆使して制作した
非常に資産性の高い逸品中の逸品です!!!
アルマリック・ワルター ( または アルメリック・ワルター ) [ Almeric Walter ] ( フランス : 1859 - 1942年 ) ※
※ アルマリック・ワルターのスペルに関しましては、“Almeric Walter” の他に “Almaric Walter” と表記する文献もあります。
※ ワルターの生没年に付きましては、1870 - 1959年 とする説もあります。
20世紀前半 フランス/ナンシー
“A WALTER NANCY” の陰刻銘有り
※ ナンシーは、フランス東部ロレーヌ地方の中心都市で、ワルターの他にガレやドームも工房を構えていた
ガラス芸術の聖地です。
サイズ : 最大幅 約 18.0cm 高さ 約 9.8cm
参考文献 : George de Bartha 著 “L'ART 1900” P.50 に類似作品掲載
コンディション : 詳細に診れば、多少の汚れが一部有り、更に厳密に診れば、
多少の擦れやスクラッチ(引っかき傷)、あるいは、ピンホール・ニック(針の先で突いたような
刻み目や穴状のくぼみ)等も有るかもしれませんが、写真の通り、問題になるような大きな瑕疵(かし)は無く、
全体的には、完品と言える程の、大変に良好な状態を保っています。
古代ガラスの失われた技法であったパート・ド・ヴェールは、アンリ・クロ、
アルマリック・ワルター、ガブリエル・アージー=ルソー等の血の滲むような努力によって、
アール・ヌーヴォーからアール・デコ期のフランスで蘇りましたが、
あまりに手間のかかる技法ゆえに、パート・ド・ヴェール技法を駆使して制作された作品数は
元々多くなく、現存数は更に少ないため、希少性の高い入手困難な作品となっています。
パート・ド・ヴェール [ Pate de Verre ] とは、古代のガラス作品でも見られる、色ガラスを粉末にし、
耐火性の型に入れ、その型ごと窯の中で焼き上げるという、七宝工芸と陶芸とガラス工芸のテクニックを
融合したような技法で、その膨大な手間とクォリティー・コントロールの難しさから、
現代ではほとんど用いられていません(例えば、型から取り出した作品は、溶融成型した表面を
注意深く丁寧に研磨しなくてはなりませんが、その作業には非常に手間を要したそうで、
それ故、パート・ド・ヴェールの作品は量産には向かず、こういった芸術ガラス作品の技法としてのみ
伝えられました)。また、ほぼ全てのパート・ド・ヴェール作家が、その技術を
一子相伝の秘法として公開しなかったため、このテクニックを駆使できる作家も非常に少なく、
人類にとっては、“ロスト・テクノロジー”とも言える・・正に“幻の技法”に
なりつつあります。
参考価格 : 本年5月(先月)にパリで開催された国際的な最大手の競売会社が
主催するオークションで、本作品とほぼ同型・同サイズで同様の査定が
されるべき(ワルターがドーム工房に居た時期に制作した)『波乗り魚文皿』に、
その競売会社の買い手手数料込み(ただし、日本までの運賃・保険料や消費税他の
輸入経費を含まない)で日本円に換算して約87万〜105万円の
エスティメイト価格が設定されていました。
※写真は、焦点があまく、多少の歪みと反射が有り、実際の色と若干異なっています。
落札希望価格 | 最高入札価格 |
ご入札者 | 入札締切日 |
on request | \900,000. | 0420 | '06/6/6 |