マイセン窯
フィギュア(人形:置物)
『ヴァイオリン弾きに変装したキューピッド』
18世紀後半
ドイツ
しかも
そのモデルを考案した
伝説的彫刻家アシエ自身が携わったと思われる
マイセン・コレクター垂涎の
18世紀に制作されたとても貴重な作品です!!!
18世紀後半 ドイツ
※ 本作品には双剣の窯印等が見当たりませんが、マイセン窯に関する様々な文献に明記してある通り、
この時期のマイセン作品には、窯印が元々入っていない物(セット物の作品の一部のみに窯印が
入れられていて、残りの窯印が省略されているケース等)や、焼成時に消えてしまった物
(台座側面に入れられた窯印が、焼成中に流れ落ちるケース等)も多かったとの事です。
いずれにしても、本作品は、その作行きから、18世紀に制作されたマイセン窯の作品である事は
間違いありません。
型師 : ミシェル・ヴィクトール・アシエ [ Michel Victor Acier ] ( フランス : 1736 - 1799年 )
※ アシエは、1764年にマイセン窯の主任型師を拝命し、フランスからマイセンに移り住みました。
※ 18世紀初頭にヨーロッパで最初に硬質の白磁器の制作に成功したマイセンは、その後、18世紀全般を通じて、
ヨーロッパ磁器芸術の頂点に君臨する事になりますが、この時期に制作されたマイセンの作品は、
欧米のコレクターの間で非常に人気が高く、特に、原型を制作した型師(彫刻家)本人が現存した時期の
(彼等自身が制作に携わった可能性のある)作品に付いては、全く異なる別格の扱いを受けています。
※ フィギュア作品に付きましては、制作を担当した型師や絵付師によって、作行き(手・足・首の向きや小道具等の形状および絵付け)が
多少異なる場合がありますので、マイセンの各参考文献に掲載されている作品写真と(完全には)一致しないケースがよくございます。
コンディション : 細かく凹凸の多いマイセン・フィギュアにとって、多少のダメージが存在する事は、
ある意味で宿命とも言えるものであり、細部における微小な欠けやプロの手による修復がなされた損傷については、
世界中どこの市場でも容認しています。この作品にも、翼/手足(指)/ヴァイオリン/弓等に
修復箇所が有りますが、その他に大きな瑕疵(かし)は無く(もしその他に修復が有るとすれば、
非常に上手く修復されている事になります)、18世紀後半に制作されたオールド・マイセンの
フィギュア作品にしては、充分に満足のゆく状態を保っています。
※ 形状が複雑で細かい凹凸の有る磁土の彫塑を、原型通りに焼き上げるのは非常に難しく、
窯の中における焼成(磁土の収縮)を正確にコントロールする大変複雑で高度な技術が要求されます。
しかしながらマイセンでは、1700年代の初頭に中国や日本の渡来品を手本に磁器制作を開始してから、
わずか20年足らずで磁器彫塑の技術をほぼ確立しており、その進化のスピードは俄かには信じ難いほど驚異的です。
ちなみに、磁器制作においては先輩格の日本でも、江戸時代から、磁器彫塑を焼き上げる技術に挑戦してきましたが、
マイセン・フィギュアほどの(形が複雑で動きのある)作品を焼き上げる技術はついに独自では確立できず、
明治政府誕生後に留学生をマイセンに派遣し、その進んだ技術を取り入れようと試みています。
※ 専門家の鑑定を経ないで直接出品できるフリーマーケット的なネット・オークションでは
仕方ないのかもしれませんが、明らかなニセモノをはじめ、部位が欠落していたり
キャンセル・マークをパテで埋めて偽装した様なマイセン・フィギュアの欠陥作品が、
その事実を隠して出品されているケースをよく見かけますので、何卒、お気を付けくださいませ。
※ 将来、もし、修復が必要になりました場合は、日本国内の優秀な修復家の方を直接ご紹介いたします。
※写真は、焦点があまく、多少の歪みと反射が有り、実際の色と若干異なっています。
落札希望価格 | 最高入札価格 |
ご入札者 | 入札締切日 |
on request | \120,000. | yuu | '06/7/10 |