マイセン窯
フィギュア(人形:置物)
『トリトンの捕獲』
“Der Tritonenfang”
20世紀
ドイツ
伝説的な天才彫刻家ケンドラーが原型を作っただけあって
個々の瞬間的な表情と動作を見事にとらえている
大変に有名な歴史的傑作モデル・・・
マイセンならではの
細部にわたる緻密で丁寧な仕事が施された
高さが30cmもあって非常に飾り栄えのする
人気の大型グループ・フィギュア作品です!!!
20世紀 ドイツ
底部に窯印有り
サイズ : 高さ 約 30.0cm 幅(台座) 約 24.5cm
参考文献 : “Preis-Verzeichnis der Konigl. Sachs Porzellan-Manufactur in MEISSEN” Blatt 7 に類似作品(C35)掲載
※ フィギュア作品に付きましては、制作を担当した型師や絵付師によって、作行き(手・足・首の向きや小道具等の形状および絵付け)が
多少異なる場合がありますので、マイセンの各参考文献に掲載されている作品写真と(完全には)一致しないケースがよくございます。
コンディション : 細かく凹凸の多いマイセン・フィギュアにとって、多少のダメージが存在する事は、
ある意味で宿命とも言えるものであり、細部における微小な欠けやプロの手による修復がなされた損傷については、
世界中どこの市場でも容認しています。詳細に診れば、この作品にも、海老の片方のヒゲ(触覚)が若干短くなっている様に
見えますし(このモデルの古い作品では、ヒゲそのものが根元から欠けて無くなっているものも多いようです)、
女神の手の指(立っている女神の左手の小指)等に多少の修復箇所等が有りますが、掲載写真でもお判りの通り、
鑑賞上はほとんど気になりませんし、その他に大きな瑕疵(かし)は無く(もし他に修復が有るとすれば、
非常に上手く修復されている事になります)、マイセンの大型グループ・フィギュア作品にしては、
充分に満足のゆく大変に良好な状態を保っています。
※ 形状が複雑で細かい凹凸の有る磁土の彫塑を、原型通りに焼き上げるのは非常に難しく、
窯の中における焼成(磁土の収縮)を正確にコントロールする大変複雑で高度な技術が要求されます。
しかしながらマイセンでは、1700年代の初頭に中国や日本の渡来品を手本に磁器制作を開始してから、
わずか20年足らずで磁器彫塑の技術をほぼ確立しており、その進化のスピードは俄かには信じ難いほど驚異的です。
ちなみに、磁器制作においては先輩格の日本でも、江戸時代から、磁器彫塑を焼き上げる技術に挑戦してきましたが、
マイセン・フィギュアほどの(形が複雑で動きのある)作品を焼き上げる技術はついに独自では確立できず、
明治政府誕生後に留学生をマイセンに派遣し、その進んだ技術を取り入れようと試みています。
この 『トリトンの捕獲』 は、天才彫刻家ケンドラーが制作した原型以来、マイセン窯の
定番モデルとして連綿と作り続けられてきた、大変に人気のある大型グループ・フィギュア作品です。
※ ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(もしくはケントラー) [ Johann Joachim Kaendler or Kandler ] ( ドイツ : 1706 - 1775年 )
: アウグスト強帝(もしくは強王/ザクセン選帝侯/フリードリッヒ・アウグストT世)によって見い出されマイセン窯のモデル部門長に
就任した彫刻家ケンドラーは、絵付け部門長であった画家ヘロルトや名工アシエ(アシエール)等とともに、
互いに切磋琢磨し競い合いながら、天才的な感性とテクニックで、マイセン窯の絶頂期を築き上げました。
そのケンドラーが制作したフィギュアの原型は、マイセン窯で大切に保管され、人気のあるモデルは、
その原型をもとに(場合によっては、型の細部に多少の手も加えられながら)その後も作り続けられました。
※ 専門家の鑑定を経ないで直接出品できるフリーマーケット的なネット・オークションでは
仕方ないのかもしれませんが、明らかなニセモノをはじめ、部位が欠落していたり
キャンセル・マークをパテで埋めて偽装した様なマイセン・フィギュアの欠陥作品が、
その事実を隠して出品されているケースをよく見かけますので、何卒、お気を付けくださいませ。
※ 将来、もし、修復をご希望の際は、日本国内の優秀な修復家の方を直接ご紹介いたします。
※写真は、焦点があまく、多少の歪みと反射が有り、実際の色と若干異なっています。
落札希望価格 | 最高入札価格 |
ご入札者 | 入札締切日 |
on request | private | K.M. | '07/4/2 |