マイセン窯
フィギュア(人形:置物)
『リュートを弾く女』
18世紀後半(1763-74年頃)
ドイツ
伝説的彫刻家ケンドラー自身が制作に携わったと思われる
いかにもケンドラーらしい生き生きとした顔付きの
限り無くオリジナル・モデルに近い18世紀の超稀少作品・・・
入手するどころか目にする事も滅多に叶わない
マイセン・コレクター垂涎の
正にミュージアム・ピース級のオールド・マイセン作品です!!!
18世紀後半(1763〜1774年頃) ドイツ
底部に窯印(※)他有り
※ 1763/65年頃〜1774年頃の(マイセン窯の歴史上で)いわゆる 「点の時代」 [ punktperiode ]
または 「点の時期」 [ punktzeit ]
あるいは 「学術時代」 [ akademische periode ] と呼ばれる時期に使われていた
双剣の鐔(つば)の間に点のある典型的な窯印です。
サイズ : 高さ 約 17.5cm 幅(台座) 約 6.5cm
18世紀初頭にヨーロッパで最初に硬質の白磁器の制作に成功したマイセンは、その後、18世紀全般を通じて、
ヨーロッパ磁器芸術の頂点に君臨する事になりますが、この時期に制作されたマイセンの作品は、
欧米のコレクターの間で非常に人気が高く、特に、ケンドラー(彫刻家)やアシエ(彫刻家)や
ヘロルト(画家)が、その感性とテクニックを互いに切磋琢磨し競い合っていた絶頂期の、
しかも、彼等自身が制作に携わった可能性のある作品に付いては、全く異なる別格の扱いを受けています
(本作品は、その制作年代と作品の特徴から、ケンドラー自身が制作に携わったと思われます)。
コンディション : 細かく凹凸の多いマイセン・フィギュアにとって、多少のダメージが存在する事は、
ある意味で宿命とも言えるものであり、細部における微小な欠けやプロの手による修復がなされた損傷については、
世界中どこの市場でも容認しています。厳密に診ますと、この作品にも、
服の一部・葉の先端・楽譜の縁・高台の底等にわずかな削げが有り(こういった部分に全くダメージを受けていない
18世紀のフィギュア作品を見た事が有りません)、塗り直し等の修復箇所も有りますが、
掲載写真でもお判りの通り、鑑賞上はほとんど気になりませんし、
その他に大きな瑕疵(かし)は無く(もし他に修復が有るとすれば、
非常に上手く修復されている事になります)、18世紀に制作されたオールド・マイセンの
フィギュア作品にしては、充分に満足のゆく良好な状態を保っています。
なお、フィギュアの一部分に、制作時(焼成時)に出来たヒビや割れ目が有りますが、
18世紀に制作されたフィギュア作品には、(一部の小型作品を除き)ほとんどと言っても過言ではないほど、
そういった(焼成時に出来た)窯キズが有り、ここではあえて欠点とは申し上げません(マイセン窯でも、
当時は、そういった窯キズを必然的なものとして捉え、大きな欠点とは見なしていませんでした)。
実際、国際的な有名オークション会社のエキスパート達も、そういった窯キズを、
18世紀のマイセン窯で制作されたフィギュア作品の証拠(もしくは特徴)と捉えています。
※ 形状が複雑で細かい凹凸の有る磁土の彫塑を、原型通りに焼き上げるのは非常に難しく、
窯の中における焼成(磁土の収縮)を正確にコントロールする大変複雑で高度な技術が要求されます。
しかしながらマイセンでは、1700年代の初頭に中国や日本の渡来品を手本に磁器制作を開始してから、
わずか20年足らずで磁器彫塑の技術をほぼ確立しており、その進化のスピードは俄かには信じ難いほど驚異的です。
ちなみに、磁器制作においては先輩格の日本でも、江戸時代から、磁器彫塑を焼き上げる技術に挑戦してきましたが、
マイセン・フィギュアほどの(形が複雑で動きのある)作品を焼き上げる技術はついに独自では確立できず、
明治政府誕生後に留学生をマイセンに派遣し、その進んだ技術を取り入れようと試みています。
※ 専門家の鑑定を経ないで直接出品できるフリーマーケット的なネット・オークションでは
仕方ないのかもしれませんが、明らかなニセモノをはじめ、部位が欠落していたり
キャンセル・マークをパテで埋めて偽装した様なマイセン・フィギュアの欠陥作品が、
その事実を隠して出品されているケースをよく見かけますので、何卒、お気を付けくださいませ。
※ 将来、もし、修復が必要になりました場合は、日本国内の優秀な修復家の方を直接ご紹介いたします。
※写真は、焦点があまく、多少の歪みと反射が有り、実際の色と若干異なっています。
落札希望価格 | 最高入札価格 |
ご入札者 | 入札締切日 |
on request | \265,000. | sryu | '06/9/23 |